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help リーダーに追加 RSS 「マーガレットメリルU」と「漂流者の文学」萩原朔太郎

<<   作成日時 : 2008/05/25 23:58   >>

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我等現代の日本人は、老いたる者も若き者も、
共にその安住すべき心の家郷を持たないことで、
現実の悲しみを共にしている。
信仰もなく、希望もなく、生活の目的さえもない。
常に最も理想家であるべき青年さえが、早くから人生に絶望して、
荒寥たる虚無の原野を、老いたる犬のように漂流している。
すべての人は家郷を持たない。
そして尚その上にも、我等の「日本」を見失っているのである。


「永井荷風氏の纆東綺譚(ぼくとうきだん)(東朝連載)を読む」
という副題が付いた作品です。



日本は一体どこにあるのか?
かつて昔、たしかに我等の美しい日本があった。
飛鳥、奈良の栄えた都に、唐の長安を移して建てた、
蜃気楼のような壮大な文化があった。
そしてまた中世には、平安の都に藤原の文化が栄え、
近世には江戸三百年の文化があった。

だが、今日、その一切のものは消えてしまった。




永井荷風の「纆東綺譚」を読んでみたい、と思ったら
昭和文学全集の巻一にありました。
(次は巻一へ行こうかとも思い、でもこの次に、芥川と佐藤春夫と
永井荷風、谷崎じゃ重過ぎるかな、とも思い。)
朔太郎の帰結を書いてしまうと「いちばん良いところ」が解ってしまいますので、
続きは書かないでおきます。
朔太郎はこのほかに「日本への回帰」も載っています。以下はそこから



我れは何物をも喪失せず
また一切を失ひ尽くせり

と僕はかつて在る抒情詩の中で歌った。
まことに今日、文化の崩壊した虚無の中から、
僕等詩人が歌うべき一つの歌は、かかる二律反則によって節奏された、
ニヒルの漂泊者の歌でしかない。






萩原朔太郎の本は愛読書の中に一冊だけあります。『恋愛名歌集』
・・なんですか、それ?って。
万葉集から新古今集についての本です。
茂吉の解釈と真っ向から反する説明箇所もあり、とても味わい深い本です。
新潮文庫なのですが、この本はアマゾンで出てきませんでした。
日本の古本屋にはありましたが、ご紹介し切れないのが些か残念です。



画像
文頭画像は「マーガレットメリル」の二期目の花。
花弁の繊細なフリルが上手く出てきました。
下の画像は「ニュードーン」・・どうやって剪定と誘引をしましょうか。嬉しい悲鳴です。


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漂泊者の文学 永井荷風氏の纆東綺譚(ぼくとうきだん)(東朝連載)を読む
                        
日本への回帰 我が独り歌える歌   
  
    萩原朔太郎   昭和文学全集 巻四


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ちとさん、こんにちは。
萩原朔太郎の「漂流者の文学」、朔太郎の詩の解釈に役立ちそうですね。何歳位のときの作品でしょうか。朔太郎の作品については、若い頃読んだ詩集「月に吠える」位しか憶えていません。ああ、もう一つありました。「郷愁の詩人与謝蕪村」(新潮文庫)、朔太郎による蕪村の句の評論集です。詩と違って、平明な分かりやすい文章でした。永井荷風に関しては日記「断腸亭日乗」(抜粋 岩波文庫)が、荷風という人を多少ながら理解できて、面白かったです。その後「墨東綺譚」を読み返してみて、この小説の中にも荷風の人柄を見ることができたように思っています。
エフ・エム
2008/05/26 18:57
エフ・エムさん、こんばんは。
コメントを頂きありがとうございます。とても励みになります。
「漂流者の文学」は1937年(s12)朔太郎五十二歳。「日本への回帰」も同年。詩の創作はこの年で最後とあります。「郷愁の詩人与謝蕪村」(四十七歳)はこの本の中にあり、一応読み終えたのですが、まだ十分に「蕪村」の世界観をつかめていないという感想が残っています。(無論、そんなに簡単に摑める筈も無いのですが)
永井荷風「断腸亭日乗」も巻一にありました。楽しみにしています。
ちと
2008/05/27 22:56

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